Kindle出版の「印税」とは?
Kindle出版(KDP)では、本が1冊売れるたびに著者にロイヤリティ(印税)が支払われます。在庫を持つ必要はなく、Amazonが注文・配送・決済をすべて代行してくれます。
商業出版(出版社に持ち込んで出す方法)の印税は一般的に8〜10%と言われていますが、Amazon KDPでの自己出版は、電子書籍なら最大70%、紙の本なら60%(印刷コストを引く前)と、はるかに高い印税率が特徴です。
商業出版 vs KDP出版 印税比較
商業出版(出版社から出す)
約8〜10%
販売価格に対して
Amazon KDP(自己出版)
最大70%
電子書籍の場合(紙の本は60%)
ただし、電子書籍と紙の本では印税の計算方法が異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
電子書籍(Kindle)の印税率
Kindle電子書籍の印税は、登録方法によって35%と70%の2パターンがあります。
通常登録(35%プラン)
35%
- 価格設定が自由(制限少なめ)
- 他プラットフォームでも販売可
- Kindle Unlimited対象外
KDPセレクト(70%プラン)
70%
- 印税率が2倍に!
- Kindle Unlimited(読み放題)対象
- Amazon限定での販売が条件
- 価格は250〜1,650円の範囲で設定
【電子書籍】KDPセレクトの注意点
日本のAmazonで70%の印税を受け取るには、KDPセレクトへの登録が必要です(価格を250〜1,650円にする、紙の本がある場合はそれより2割以上安くする、などの条件もあります)。ただし、登録期間中(90日間)はAmazon以外での販売ができなくなります。楽天Koboや自社サイトなど他のプラットフォームでも売りたい場合は通常登録を選んでください。
Amazonだけで展開する予定であれば、KDPセレクトの方が収益が上がるケースがほとんどです。また、Kindle Unlimited(月額定額読み放題)の対象になるため、読者の間口も広がります。くわしくはKindle Unlimited(読み放題)に登録するメリット・デメリットで解説しています。
価格ごとの印税の目安や、価格の決め方は電子書籍の価格の決め方でまとめています。
【電子書籍】印税の計算式
電子書籍の計算式
消費税を除いた価格 × 印税率(35% or 70%)= 1冊あたりの印税
※70%の場合は、ファイルの容量に応じた「配信コスト」(1MBあたり約1円)を差し引いてから計算します。
例:800円(税込)で販売した場合(通常35%)
税抜727円 × 35% = 約254円
例:800円(税込)で販売した場合(KDPセレクト70%)
(税抜727円 − 配信コスト1円)× 70% = 約508円
電子書籍は印刷コストがゼロなので、ページ数が多くても印税が減りません。これが電子書籍の大きなメリットです。
紙の本(ペーパーバック)の印税と印刷コスト
ペーパーバック(紙の本)は、注文が入るたびにAmazonが1冊ずつ印刷・発送するオンデマンド印刷の仕組みです。在庫リスクはゼロですが、印刷コストが利益から差し引かれます。
【紙の本】印税の計算式
紙の本の計算式
KDPで設定する価格(税抜)× 60% − 印刷コスト = 1冊あたりの印税
※紙の本は、KDPで税抜の価格を設定します。Amazonの販売ページには消費税が自動で足された価格が表示されます(例:1,500円で設定 → 1,650円で表示)。
※設定価格が999円以下の場合、印税率は50%になります(2025年6月から)。
※印刷コスト(白黒・日本国内・110ページ以上)= 206円 + 2円 × ページ数(108ページ以下は一律422円)
【紙の本】ページ数別の印刷コスト目安
| ページ数 | 印刷コスト(概算) | 文字数の目安 |
|---|---|---|
| 150ページ | 約506円 | 約3〜4万字 |
| 200ページ | 約606円 | 約5〜6万字 |
| 250ページ | 約706円 | 約6〜7万字 |
| 300ページ | 約806円 | 約7〜9万字 |
※白黒印刷・日本国内の概算値です。正確な値はAmazon KDPのロイヤリティ計算ツールでご確認ください。
【紙の本】価格設定のポイント
紙の本の場合、販売価格が低すぎると印刷コストに利益が食われてしまいます。たとえば200ページの本の場合、KDPで設定できるいちばん安い価格は1,010円(税抜)ですが、この価格だと:
1,010円 × 60% = 606円 − 印刷コスト606円 = 印税0円
※最低価格は「印刷コスト ÷ 60%」で決まります。これより安い価格はKDPで設定できません。
200ページ・白黒印刷の場合は、1,500円(税抜)前後以上の価格設定にすると、1冊あたり300円ほどの印税が残ります。
何冊売れたらいくらになる?シミュレーション
実際にどれくらいの収益になるか、具体的な数字で見てみましょう。
※以下はすべて概算・目安です。電子書籍は税込価格(配信コスト1円)、紙の本はKDPで設定する税抜価格で計算しています。
【電子書籍】KDPセレクト(70%)の場合
電子書籍 800円(税込)× 100冊
約50,800円
(1冊約508円 × 100冊)
電子書籍 800円(税込)× 300冊
約152,400円
(1冊約508円 × 300冊)
電子書籍 1,000円(税込)× 300冊
約190,500円
(1冊約635円 × 300冊)
【紙の本】200ページ・白黒(印刷コスト606円)の場合
紙の本 1,500円(税抜)× 100冊
29,400円
(1冊294円 × 100冊)
紙の本 1,500円(税抜)× 300冊
88,200円
(1冊294円 × 300冊)
紙の本 1,800円(税抜)× 300冊
142,200円
(1冊474円 × 300冊)
→ Amazon KDP ロイヤリティ計算ツール(公式)
まとめ
Kindle出版の印税についてまとめると、次のとおりです。
- 電子書籍の印税は消費税を除いた価格の35%または70%(日本ではKDPセレクト登録で70%)
- 紙の本の印税は設定価格(税抜)×60%から印刷コストを引いた額(999円以下は50%)
- 紙の本の印刷コストはページ数に比例して増加(約206円+2円/ページ)
- 電子書籍は印刷コストがかからないので、ページ数が多くても印税が減らない
- 紙の本を配布・プレゼントするなら著者購入で安く手に入る
「印税の計算が複雑でよくわからない」「自分の本だといくらになる?」という場合は、ぜひユアブックスにご相談ください。具体的な数字でご説明します。