EPUBとは何か
EPUB(イーパブ)とは、電子書籍の標準フォーマットです。
HTMLとCSSで構成されているため、読者の端末や文字サイズに合わせて文字が自動で流れ込む(リフロー)のが特徴です。
Kindle・楽天kobo・Apple Books など、ほとんどの電子書籍ストアがEPUBに対応しています。
KDPには、EPUBのほか、Wordファイル(.docx)のままでもアップロードできます。どちらもAmazon側でKindle用の形式に変換されます。
EPUBの特徴
- リフロー型:文字サイズや画面に合わせて流れ込む(小説・実用書向け)
- 固定レイアウト型:ページの見た目が固定(漫画・写真集向け)
- 目次・リンクを自動生成できる
- 画像・表組みも埋め込み可能
電子書籍データ作成に使えるツール
電子書籍のデータは、いくつかのツールで作れます。ここで紹介するものは、どれも無料で使えます。
① Microsoft Word(いちばん手軽)
Wordで作った原稿(.docx)は、そのままKDPにアップロードできます。KDP側でKindle用の形式に変換されます。
見出しスタイルを使って目次を作れば、実用書やエッセイならWordだけで十分きれいに仕上がります。縦書きの設定も可能です。
② でんでんコンバーター(オンライン)
簡単な記号を付けて書いた原稿から、縦書きのEPUBを作れるブラウザ上のツール。
ソフトのインストールが不要で、小説を書く方によく使われています。
③ Sigil(上級者向け)
EPUBを直接編集できるソフト。HTML・CSSを書き換えて細かいレイアウト調整ができますが、専門知識が必要です。
④ Vivliostyle(上級者向け)
CSSで組版するツールで、縦書き・ルビ・図版など日本語の組版に強いのが特長。
紙の本用のPDFも、電子書籍用のEPUBも作れますが、設定にはある程度の知識が必要です。
「Kindle Create」は日本語の文章の本には使えません
Amazon公式の無料ソフト「Kindle Create」は、2026年9月時点で、日本語の文章の本(リフロー型)に対応していません。日本語の本で使えるのはマンガのみです。ネット上の古い記事では「初心者におすすめ」と紹介されていることがあるので、ご注意ください。
ツール比較表(どれを選べばいい?)
| ツール | 難しさ | 向いている人・本 |
|---|---|---|
| Word | ★☆☆ | はじめての方・実用書やエッセイ |
| でんでんコンバーター | ★★☆ | 小説など、縦書きの文章中心の本 |
| Sigil | ★★★ | HTML・CSSが分かる方 |
| Vivliostyle | ★★★ | 縦書き・ルビなど組版にこだわりたい方 |
はじめての方には、使い慣れたWordがおすすめです。新しいソフトを覚える必要がなく、KDPもWordファイルの読み込みに公式で対応しています。
縦書きの小説やルビの多い本など、こだわりたい部分が出てきたら、ほかのツールを検討すれば大丈夫ですよ。
Wordで電子書籍データを作る手順
はじめての方向けに、Wordで作って、公式の確認ソフトでチェックする手順を紹介します。
STEP 1|見出しスタイルを設定する
章や節のタイトルに、Wordの「見出し1」「見出し2」スタイルを設定します。
文字を大きくするだけでは、Kindleの目次として認識されないので注意しましょう。
STEP 2|章の区切りに改ページを入れる
章の終わりには「改ページ」を入れます。空の行(Enter)を続けてページを送る方法は、Kindleでは表示がずれる原因になります。
STEP 3|目次を自動で作る
Wordの「参考資料」→「目次」から、見出しスタイルをもとに目次を自動作成します。これで、Kindleの目次からそれぞれの章へ移動できるようになります。
STEP 4|Kindle Previewerで確認する
Amazon公式の無料ソフト「Kindle Previewer」でWordファイルを開くと、スマホやKindle端末での見え方を確認できます。
目次から章へ移動できるか、画像が崩れていないかをチェックしましょう。
STEP 5|KDPにアップロードする
問題がなければ、Wordファイル(.docx)のままKDPにアップロードします。登録画面のプレビューでも、最後にもう一度確認しておくと安心です。アップロードの画面はKDPで本を登録する方法で紹介しています。
データ作成時の注意点
① 縦書き・ルビにこだわるなら専用ツール
Wordでも縦書きの設定はできますが、ルビ(ふりがな)が多い本や、縦書きの細かい組版にこだわるなら、でんでんコンバーターやVivliostyleの利用を検討しましょう。
② 画像が多いとファイルが重くなる
画像を多く入れると、ファイルの容量が大きくなります。電子書籍を70%の印税で販売する場合、容量に応じた「配信コスト」が差し引かれるので、画像は必要な大きさに整えてから入れましょう。(くわしくは印税の記事で解説しています)
③ 目次は見出しスタイルから自動で作る
手で打ち込んだ目次は、Kindleの「移動」メニューに反映されません。見出しスタイルを使って、自動で作るのが確実です。
④ 著作権に注意
他の人の写真・イラスト・文章を無断で使うと、KDPの審査で問題になるだけでなく、出版後の著作権トラブルの原因にもなります。フリー素材を使う場合も、利用規約を確認しましょう。
画面の大きさによって、画像や表の見え方が変わることがありますよ。
不安なら代行も選択肢
電子書籍のデータ作りは、コツをつかめばそれほど難しくありません。ただ、「ツールの操作で時間を取られたくない」「品質を担保したい」という方には、出版代行サービスの利用がおすすめです。
EPUBデータの作成、プロに任せるという選択肢も
Wordなどの原稿をお送りいただければ、ユアブックスがEPUBデータを作成します。まずは無料でご相談ください。
まとめ
- EPUBは電子書籍の標準フォーマット。KDPにはWordファイルのままでもアップロードできる
- はじめての方にはWord+Kindle Previewer(無料・公式)がおすすめ
- Kindle Createは日本語の文章の本には使えないので注意
- 縦書き小説はでんでんコンバーター・Vivliostyleが向く
- 見出しスタイル・目次の自動作成・画像の容量・著作権に注意
- ツール操作が負担なら代行サービスを活用
データができたら、KDPの管理画面から本を登録します。登録のしかたはKDPで本を登録する方法、出版手順の全体はこちらの記事をご覧ください。